梅雨のダルさ…ありませんか? ~湿気による不調に漢方薬を~
これから始まる梅雨。毎年の事とは言え、憂鬱ですよね。
梅雨の時期、体調を崩す方も多いはず…毎年の事だからと我慢せず、対策や予防を行ってみましょう。
梅雨の時期、どんな不調が出るのか?対策や予防にはどんな方法があるのか?
気になる“梅雨の不調”について、みていきましょう。
〇梅雨の不調とその原因
梅雨時期、不調として現れるものはいくつかあります。
□浮腫み □ダルさ □頭痛 □めまい □食欲不振 □下痢 □関節痛 など
症状や、現れる頻度などは個人差があるため、この他にも梅雨時期になると感じる不調がいくつかあるかと思います。
原因として考えられるのは、梅雨の特徴“湿気”です。
水分は生きていく上では、必ず必要ですが余分な水分は体の中に溜まってしまい、体の不調として現れてきます。
水分の過剰摂取だけではなく、体が湿気を取り込むことで、余分な水分として溜まってしまうのです。
梅雨時期だけでなく、残暑の時期など多湿となる時期の不調は“湿気”にあると考えられています。
梅雨や台風の前など、「頭が痛いから雨が降る」という方、いませんか?ある意味、天気予報よりも当たると言われるほど、体の不調や変化には敏感に反応するように出来ています。
もちろん、梅雨も台風も関係なく元気!!という人も居ます。梅雨時期に不調がある方は、湿気に弱い体質であると言えるでしょう。
〇日常生活で出来る対策や予防
原因の“湿気”と余分な水分。これらに対しての対策を行うことで、辛い症状の軽減に繋げることが出来るのではないかと思います。
ポイントは、余分な水分を排出し、巡りを良くすることです。
食事では、根菜類や発酵食品、生姜や豆類を摂ると代謝を促す手助けをしてくれます。
筋力の低下が水を溜め込みやすくしてしまうことから、適度な運動も取り入れてみましょう。
〇漢方薬
梅雨時期の不調に使用される漢方薬は、いくつかあります。ご自身に合った漢方薬を選択することが出来ます。今回ご紹介させていただく漢方薬は、いずれも水分代謝と関係しているため、梅雨時期の不調に合った漢方薬と言えるでしょう。
五苓散料(ごれいさんりょう
五苓散は水滞(水分代謝がうまくいかず不調をきたす状態)を改善する代表的な処方です。西洋医学的な研究でも、利尿作用・消化管運動作用・アルコール代謝改善作用などが報告されています。主に浮腫みや暑気あたり、急性胃腸炎、下痢、二日酔いなどに使用されます。
体力に関わらず使用でき,のどが渇いて尿量が少ないもので,めまい,吐き気,嘔吐,腹痛,頭痛,むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:
水様性下痢,急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと),暑気あたり,頭痛,むくみ,二日酔
※しぶり腹:残便感があり、繰り返し腹痛を伴う便意を催すもの
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水分代謝が悪く、浮腫みや倦怠感を軽くしてくれる処方です。色白で筋肉の柔らかい水太りタイプの方に適しているとされており、最近では肥満症の方への使用でも注目が高まっています。
また、防已黄耆湯は膝に水が溜まったり、関節リウマチで関節が痛むような場合にも使用されており、梅雨時期に関節が痛むような方に合う漢方薬であると考えられます。
体力中等度以下で,疲れやすく,汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
肥満に伴う関節のはれや痛み,むくみ,多汗症,肥満症(筋肉にしまりのない,いわゆる水ぶとり)
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
めまいやふらつき、立ちくらみのある方に使用される処方です。めまいの原因の一つとして、水の巡りが悪いことや、水滞が原因であると考えられるため、これらの改善に役立つようになっており、主に上半身の巡りを改善させるように働いてくれる漢方薬です。
体力中等度以下で,めまい,ふらつきがあり,ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症:立ちくらみ,めまい,頭痛,耳鳴り,動悸,息切れ,神経症,神経過敏
日常生活の予防、漢方薬での改善など…梅雨時期の不調には、様々な方法で体調を整えていくことが出来ます。毎年くる梅雨ですから、毎年のことだからと諦めずに少しでも良い状態で過ごすことが出来るようにしましょう。